仮想儀礼(上)/篠田節子

いつもお世話になっているユミさんのブログの感想を見て予約した本。
結構厚い上に上下巻ともなると読めるのか心配でしたが、無理なら読まずに返そうと思って借りました。

私は割といろいろなことに対して冷めてるところがあると思っているので、何かを信仰することはないんじゃないかと今は思っています。
結局みんな自分が1番なんじゃないかとどこかで思ってるところがあるのですよ。
ただ夫や息子に対してはそんなこと思わないので、唯一無償で何でもしてあげられる存在なのかも。

こういう冷たい考えと言うのは、やっぱり自分がちゃんと愛されて育ってないからなのかもしれないなーと親になってから思うようになりました。
だけどそんな私でも大切にしたいと思える家族がいることはとても幸せなことで、実家にいた時の不幸は全て今の幸せを手に入れる為だったんじゃないかと思うことも。
というか、そういう風に思わないと切ないのですよ。

誰でも平等に幸せと不幸が訪れると言う言葉を全て信じているわけではありませんが、もしも多少なりともありえるのであれば、私は高校を卒業して家を出るまでに、生きている間の不幸が全て訪れてしまったんじゃないかと、世間や関わった人と話してみて感じることがあります。
でも不幸を不幸と思わずに過ごしていたから、まだ幸せだったのかも。

と、本とは全然関係ないようなことを書いてますが、私のような生き方をしてきた人は宗教にはまりやすいのかなとこの本を読んでいて思いました。
何かに救いを求めたくなるんでしょうね。
でも結局それは自分で何とかしないといけないとその辺はかなりクールに考えるので、冒険もしないけど、悲観もせずに、何ものにも縋ることがないのかなー。

上だけ読むと、もうこれで終わりでもいいんじゃないの?と思います。
もちろん同じくらいの厚さで下があるわけですが。

何かを信仰することは自分を信じることでもあるのかな。

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