青い鳥/重松清
青い鳥
重松 清
久し振りに早く読みたくなる本でした。重松さんの本は読み終わった時に虚しくなることが多くて、最近は余り読まなくなっていました。どうしてこんなに寂しくなってしまうのか、確かに現実はそんなに幸せなことばかりではないけれど、本は読み終わった時に良かったぁと思いたい。
今回はいろいろな中学生が登場します。心に大きな傷を抱えた子や、自分らしくいられなくて、悩んでいる子など。まだ小学生の息子が、今後どれかに当てはまるかもしれないと考えたら、どんどん心配になってしまい、どうなるんだろうとページを捲らずにいられませんでした。
1話完結な感じで、全てに同じ先生が登場します。決してカッコよくもないし、ヒーローとは言えない印象の先生ですが、いつもいつもどんな子も心を開いていく。これがとても爽快なのです。
もしも息子がこうなった時に、私が救い出せたらいいのになと言う気持ちと、こんな先生と出会えたらいいのになと言う気持ちを持ちながら読みました。
中でも「おまもり」には号泣でした。他のものもどれも感動します。ちょっと重たいですが、読み応え充分だと思います。心に余裕のある時に読んでみてください。