ブルーもしくはブルー/山本文緒

ブルーもしくはブルー (角川文庫)

ブルーもしくはブルー (角川文庫)

山本 文緒



このタイトルを見た息子が「どっちにしてもブルーってことじゃん」と言いました。確かに。そうか、もしくはの意味がもう分かるんだねと少し感心しました。

そしてその息子の言葉がこの本の内容と遠くないってことも読み終わって気が付きました。

そうなんだよね。どっちにしてもブルーなんだよね。

有り得ないことだとは思いながらも、交換した生活が始まったら、どうなるのか気になってしまって、やるべきことを後回しにして読みふけってしまいました。

私は蒼子のように二股をかけたこともないし(性格上出来ないと思います)今の夫以外の人と結婚していたらと思い悩むこともありません。

いや、1度だけあったかな。夫の前に付き合っていた人が、私の先輩と結婚したのですが、その先輩夫婦に息子と2人でいる時に偶然会ったことがあって、その後は少し考えたことがありました。

もしもあの人と結婚していたら、今の先輩の立場だったのかなーって。

実はその時にその先輩があんまり幸せそうに見えなかったんですよ。だからあの人と結婚しなくて良かったなーと意地悪く思ったんですけどね。



私の場合、今の方が幸せなんだと確認する為に比較することが多いです。だってそうでないと虚しいですからね。それに実際どの道を選んでいたとしても、全て満足することはこれまた私の性格上無理な気がします。もっとこうしたい、そういう気持ちは永遠に持ち続けてしまうと思うのです。だから人は頑張ったり、辛いことを乗り越えたりするんだろうし、出来ないことに対して不満を感じたりもするんだろうな。

それは全て希望に繋がっているんじゃないかと思うのです。



普段私が考えることは、有り得ない人(つよしくん)と付き合って、(つよしくんと)結婚したらってことの方が多くて、その方が楽しいのです。



最後はどちらも入れ替わったから分かる自分の幸せに気が付いたので、スッキリ出来ました。