温室デイズ/瀬尾まいこ

温室デイズ

温室デイズ

瀬尾 まいこ



今まさにタイムリーな内容だなと思いながら読みました。読みながらも読み終わってからも思うことは、いじめが原因で自殺してしまった子供達は、親が思っている程先生に期待なんてしていないんじゃないかってこと。



私も過去には軽いいじめには良く合いました。無視なんてちょっとした喧嘩ですぐに発生するものだったし、私もしたことがあります。でもそれは小さな諍いで、クラス中でなんてことには発展しませんでした。でも私はあれだけ大人数のクラスにいても孤独を感じたことはたくさんあったし、誰も頼れないんだと悟ったこともあります。友達からの嫌がらせを先生に訴えて助けてもらおうなんて思ったことはありません。先生に言うことが恥ずかしい気持ちもあるし、自分で何とかするしかないと思っていましたからね。逃げてしまいたいと思ったことは何度もあるけれど、親にも話せなかったから逃げることも出来なかった。でもそれでよかったと今は思います。



この本を読むと先生ってこんなに冷たいの?と驚く場面があるのですが、実際はそういう先生もきっといるんだろうなと思います。自分が生徒として通っている時よりも、親となった今の方がそれを感じます。でもそうでない先生もいるんですよ。先生同士はおかしいなと思う先生に意見したり、話題になったりはしないんでしょうか?親同士の間であの先生が担任じゃなくてラッキーだったと言うことがありますが、それっておかしいでしょ。んー、話がずれてる。



私は相変わらずいじめが原因で自殺した報道で先生を責めている様子を見るとおかしいと思ってしまいます。先生や学校だけが悪いの?といつも言っています。1番悪いのはいじめた子じゃん。

つい最近見たワイドショーでいじめた側の生徒が登校できなくなっていると言う話題をやっていました。いじめた側の生徒のフォローもしていかなくてはいけませんと言う言葉を聞いて驚きました。どうしてフォローするの?って。こう思ってしまう私はひどい人間なのかなぁ?でも思ってしまったんです。だって死んじゃったんだよ。登校できないくらいに落ち込んで当然じゃないの?もしかしたらいろいろ言われるから登校できないだけなのかもしれない。反省してるのかなんて分からない。いじめた側をフォローするなんていじめたことを援護しているようでどうにも納得できない気持ちです。

あと遺族側への謝罪は親がしたと聞きました。これも違うと思いました。本人がどんなに辛くてもするべきでしょ。そんな時に親が謝ることは絶対に違うと思います。現実を知らせることこそが親の責任なんじゃないかと思うんです。そしてこのことを一生背負って生きていくことも必要なんじゃないかと。

そうでないと命の重さが分からないような気がする。



ああ、本の感想じゃなくなってる。



最後のページでホッとすることが出来て、やっぱり瀬尾さんの作品は好きです。いじめも男子より女子の方が巧妙で精神的なダメージが大きいよね。