つきのふね/森絵都

随分前に古本屋で買ったままになっていた本です。
森絵都さんの作品は学生が主人公になるものの方が面白いですね。
私が高校の頃に小論文のテストが月に1回あって、クラスが進学クラスだったのでその受験対策だったんだと思います。


初めてのテストの時に題材が将来の夢で、ひねくれていた私は早く死にたいと言うようなことを長々と書きました。醜くなって生き続けるよりも、若いうちに死にたいんだとか書いたと思います。
早速国語の先生に呼び出され、いろいろと説教されました。
当時、死にたいと思ったこともないし、わざわざ早く死ぬために何かしようと思ったこともありません。
多分そういう時期だったんじゃないかとしか今は分からないけど、そんなバカバカしい自分のことを思い出しました。


その頃、私の母親は仕事もしてなくて、バイトしていた私のお金で学校の授業料を払い、たまに母親にもお金をせびられ、家が大嫌いで早く家を出たいとばかり考えていました。
本当はやりたい仕事があって、それには専門学校へ行かないといけなかったのですが、そんなことはとても無理だと思ってから勉強するのもバカらしくなり、成績は悪くなり、留年はしない程度でした。
だからって自力で専門学校へ行くほどの根性もなかったのですけどね。


その時は日々生きる為にバイト代は消えてしまってたから、それ以上のお金なんて貯められるはずがなかったのかもしれないけど、こんな境遇に生まれてしまったことを恨んだりして。


でもその経験が今の私には役に立ってるんだろうなと思うことにしています。


この本を読んでいろいろなことを考えてしまったけど、最後の学校での場面は泣けました。手紙も。そしてみんなが幸せになれそうな予感がして、スッキリしました。


これから息子がこの年代になるんだなーと思うと、難しいなーと思いました。でも、ちゃんと向き合っていこうと思います。


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