きみのためにできること/村山由佳

きみのためにできること

きみのためにできること

村山 由佳



村山さんの描かれる登場人物は純粋な人が多いと言う印象がある。だから自分の汚れた部分を改めて実感することもある。でも時々すごーく村山さんの本が読みたくなるのは汚れた自分に嫌気がさしているからなのかもしれない。いや、言うほど汚れているなんて自覚はないんだけど。この本は珍しく誰も好きになれなかったなー。敢えて挙げるとしたら脇役の人に好感を持ちましたよ。心の中で優柔不断なのは構わないけど、行動として優柔不断な男は嫌いなのです。それは性別関係ないんだけどね。人を期待させたり、人を傷つけたり、優柔不断な感情はどうにもマイナスに動いてしまうような気がします。もちろんすぱっと決断したのに後になっていつまでもぐちぐち後悔するような人もイヤだけど、恋愛に関してはどっちつかずな態度をすることはマナー違反だと私は思っているのでどうも俊太郎君が好きになれなかったなー。でも恋人がいるからって他の人にときめいてしまう気持ちは分かるよ。現に私だって結婚してるのに7つも年下のエロカッコ可愛い子に恋してますから。ふふふ。

村山さんの作品で1番好きなのは「すべての雲は銀の…」です。これを越えるものにはまだ出会っていません。この本を読むと人に優しくなれる。