マドンナ/奥田英朗

マドンナ

マドンナ

奥田 英朗



ようやく最後まで読める本と出会いました。最近借りた本はどれも面白くなくて途中でやめてしまうものばかりでした。面白くないのに読み続けることはとても辛いので無理せずやめてしまいます。余りにも暗い内容のものは今読みたくないし、意地悪な気持ちばかりを綴った内容も自分がそういう人間になりそうで避けてしまう。基本的には人間の醜い部分が題材になっているものは結構好きで、人間って誰でも綺麗な部分だけなんかじゃないんだよねーと思うことでどこか安心するわけです。ただそれは自分が自分らしく輝いているから客観的に楽しめるものであって、自分が今何者なんだろう?と言う宙ぶらりんな状況だと自分がとてつもなく卑劣な人間なのかもしれないと錯覚して悲しくなってしまうのです。なので少し軽めの内容を読みたいと思っていたらなかなか面白いと思える本に出会えませんでした。そしてようやく読み終えたのがこの本だったのです。

短編です。読み終えると心が少し優しくなってるような感じ。気のせいかもしれないけど。もっともっと突っ張っちゃえばいいのになんて思うこともあるんだけど、そうじゃないから読後心地よくなれるんだろうなと思いました。男って単純で可愛いってこと分かっていたけど忘れがちな私。夫のこともっと上手に操らなきゃいけないな。イヒヒ。