僕はパパを殺すことに決めた/草薙厚子

僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実

僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実

草薙 厚子



随分前に予約していた本です。事件が報道された当時は、とてもショッキングで、息子を持つ私にはとても他人事ではなく、疑問ばかりが残りました。

でも少年犯罪となるとテレビでも長いこと報道されることは少ないので、少年が捕まるとあっという間にテレビで話題にもならず、私も忘れかけていました。

そんな時にこの本のことで再び話題になり、是非とも読んでみたいと思い予約したのです。



読んでいくと父親が1番悪いんだろうと思います。でも少なからず私にも通じる面もあり、私の子育ても振り返ることになりました。

私はちゃんと息子のことを見ているのかなと不安にもなりました。一緒に居る時間は多いけれど、だからと言って息子の気持ちを全て理解しているとは言えません。大きくなってくるにつれて、良くも悪くも知恵をつけ、多少の嘘をつくこともあります。もちろん私が分かる程度の嘘なのでたいしたことではありませんが、そういう時には怒りよりもハッとすることの方が多くて、嘘をつかないといけない状況にしたのは私なんだよなーと反省します。

今は怒らないようにを肝に銘じながら息子を育てています。それでも何も怒らない日なんてないですけどね。



この本を読んでいると、確かに誰の意見にも耳を貸さず、出されていた我が子からのサインにも気付かずにいた父親がこの事件を起こす原因だったと思うのですが、でもこの父親は息子のことをちゃんと愛していたんじゃないかとも思います。

自分の見栄や意地だけで息子を教育していたわけじゃないんじゃないかと。

自分の子供の評価はそのまま育てている親の評価でもあると私は感じることがあります。息子が何か悪いことをすれば親も悪いし、息子が誉められれば自分も誉められたような喜びを感じます。こんな風に感じる親ばかりではないかもしれませんし、こんな風に感じる私の方がおかしいのかもしれませんが。



ただ少し歪んでいたとは思いますけどね。あんなに近くに居たのに分かってあげられないことはおかしいと感じる気持ちもあるけれど、近くに居すぎて見えなくなっていたのかもしれないのです。そして自分は間違っていないと信じ続ける気持ちも強かったのだと思います。



私自身も息子を育てる上で忘れてはいけない教訓をたくさん学ぶことが出来ました。



少年が無事更生されることを心から願っています。



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