象の背中/秋元康

象の背中

象の背中

秋元 康



秋元康さんの小説は過去に読んだことがあったっけ?と思い出しても思い出せません。エッセイは何冊が読んだ覚えがあるけれど。予約がとても多かった本なのでとても楽しみにしていました。内容は「ひまさえあれば」のユミさんのところで拝見していましたが、やはり最後は泣けて泣けて。1人で読んで良かったです。でも読み終わってから夫に本の内容を説明していたら、思い出してしまうので涙声になってしまいました。人に内容を話す時は自分の思い入れの強い場面ばかりを語ってしまいがちです。だから普通に読むよりも感極まることが多いのです。

実は私はこの作品の主人公の男性を最後まで好きになれませんでした。女性にだらしない人がどうしても好きにはなれません。奥さんに対しての行為も怒れるものが多くて。彼のお兄さん(長男)が怒ってくれたので少し救われたけれど、命の終わりが決まったからって生きているうちに自分の非を全て綺麗にしようとしているように感じられて腹立たしかったです。もっともっと大切な人を最後まで幸せにすることは出来ないのだろうか。残されたものはどうしたらいいのだろうか。そんなことを何度も感じました。私が泣けてしまったのは彼の命の短さではなくて、彼の周りの存在の悲しみを思ってです。

もしも自分の夫がと思って読むとたまらなかったなぁ。