永遠の出口/森絵都

永遠の出口

永遠の出口

森 絵都



初めて読みました。子供が主人公の場合読んでみたいと思う内容に出会うことはとても少ないのですが、これは何となく惹かれて借りてみました。

紀子のような生き方をしてきたわけではないし、同じような気持ちになったことも余りなかったのですが、自分が通ってきた年代を振り返るのはとても面白かったです。

私は母子家庭で育ち兄弟姉妹もいなかったので母しか家族はいませんでした。その母はとにかくとても怖くて。厳しいと言うよりもただ怖いという人でした。自分の感情だけで怒るので予測も出来ず、怖いと思う相手に意見をする勇気もない私は心の中では反論していても従うしか出来ず、とにかく母から離れたい、一緒に生活したくないとそればかりを思って寮のある職場へ就職しました。悪いことをした時は誰よりも母にバレることを恐れました。そんな少女時代を過ごした私は非行に走る事もせず、というか出来ず、強いものには弱い卑怯な奴でした。

だから紀子の生き方とは全然違うけど環境は懐かしいなーと感じました。

主人公が男の子だと息子の将来を考えながら読めるのに女の子が主人公だと自分を振り返ってしまうので余り暗い内容は読みたくないと思ってしまいます。

でもこれは決して明るいとは言えないけど武器用に生きてきた様子にとても共感出来ました。